決心がついたら僕の所へ来てください
一昨年の夏、ある暑い日・・・。
『決心がついたら僕の所へ来てください』
その男性は、涙目の私にそう告げました。

その男性とは、歯医者のおじさんです。
まるでプロポーズのようでした。
私は歯医者が大の苦手。
〝わたしも苦手ですよ〟という人の何倍も苦手。
でも歯医者さん曰く【虫歯になりにくい体質】のお蔭で滅多にお世話になりません。
診察の前に『私は本当に歯の治療が苦手です』と言います。

歯医者側は、こういう患者あるあるなんでしょうね。
ですが、私の治療が終わった後は、
『本当に苦手なんですね・・・』と言います。

歯のクリーニングだけで涙目になった私にこのセリフを歯医者が言うたのです。
親知らずが生えておるらしく、今すぐ治療が必要な訳じゃないけど、
『親知らずの手前に溝があり、のちのち虫歯なるかもしれないから
今のうちに抜いといた方が良い』
『老人になった時に親知らずを抜くのは辛い』
『妊娠した時なにかあっても治療できない』
なんせ【今のうちに決心をして来い】というのです。
あれから1年半・・・。
虫歯にならない為にせっせと親知らず付近の歯磨きをがんばってます。
ちなみに治療中は、不快感に耐えるため、
大切な人達が捕らえられた妄想をして乗り切ってます。
